最近は冷凍の魚が売られており、
日々の献立の中にも魚料理が取り入れやすくなった。
その冷凍魚の解凍の際、
自然解凍や水につけての解凍をしていないだろうか？
実は、焼き魚にする調理前、
冷凍された魚を解凍する際には、
塩水での解凍をすることで
味に雲泥の差が出る。
その理由を紹介していこう。
冷凍魚を解凍するなら塩水を使おう！塩水を使った魚の解凍の方法、塩の濃度など…
では、冷凍魚を解凍する際に
塩水を使うと後の味に差が出る理由と
実際に塩水を使った魚の解凍の方法、
塩の濃度なども詳しく見ていこう。
冷凍魚を解凍する際に塩水を使うと
後の味に差が出る理由…
それは、浸透圧によって
魚本来の旨味が凝縮されるからである。
浸透圧とは、2つの濃度の異なる液体が半透膜
（水を通すが、それに溶けている塩や砂糖などの物質は通さない膜）
を介した際に液体の濃度の薄い方から
濃い方へと水が移動する圧力のことを言う。
ここでいう半透膜は魚の細胞、
2つの濃度の異なる液体は
魚の体内の水と解凍する水
と考える。
ここでそれぞれの塩分濃度を比較してみると、
海水の塩分濃度は3%、
次に魚の体内の水分、
次に解凍する水となる。
ここで思い出してほしいのは、
浸透圧は液体の濃度の薄い方から濃い方へと
水が移動する圧力ということである。
水で解凍をした場合、魚の体内へと水分が移動する。
つまり、旨味は水で薄められてしまうのである。
では、魚の解凍の方法を詳しく見ていこう。
１．理想的な解凍時の塩分濃度は海水と同じ3%。
40℃以下、3%の食塩水を作り、1分間ほどつけて解凍させる。
２．その後、キッチンペーパーや布巾で水気をふき取り、
濡れたキッチンペーパーや濡れ布巾を魚にかぶせ、
冷蔵庫で20～30分解凍する。
３．その後はそのまま調理する。
オススメは半解凍（魚の表面が柔らかくなるくらい）で
調理へ進むと本来のおいしさのまま
調理を行うことができる。
ぜひ、ひと手間かかるものの、
本来の美味しさで魚を調理してみてはいかがだろうか？
冷凍魚の解凍は塩水で、焼き魚を冷凍したい時は？魚の解凍と冷凍の仕方
前述では冷凍魚の解凍は塩水で行う利点を紹介してきた。
では、焼き魚を冷凍したい時はどうだろうか？
魚の解凍と冷凍の仕方を見ていこう。
焼き魚を冷凍する方法は、空気が入らないように
ラップを巻き、空気が入らないように冷凍する。
魚をジップロックなどの保存パックに空気を抜いて入れ、
保存する方法も有効である。
冷凍した焼き魚は２～3週間が保存期間の目安なので、
期間内に食べてしまおう。
また、焼き魚を解凍する際には、解凍方法にも注意が必要。
先ずは、解凍方法の失敗例から紹介していく。
・電子レンジでの急速解凍
電子レンジでの急速解凍は、時間はかからないが、
魚を凍らせていた氷が溶けだし、ドリップが出てしまう。
その際に必要な水分も魚から抜けてしまい、
魚の触感がぱさぱさになってしまう。
・常温下での自然解凍
常温下での自然解凍も急速冷凍より時間がかかる割に、
解凍の段階で菌が増えてしまうため、食の安全も味も落ちてしまう。
自然解凍を行った後の焼き魚は必ずもう一度
火を通してから食べるようにしよう。
次に、解凍方法のオススメを紹介していく。
・流水解凍
前述した通り、焼き魚に水がかかると、
旨味が浸透圧で逃げてしまう原因となる。
袋などで水につからないように流水をかけ解凍するとドリップも出ず、
焼き魚がパサパサにならずにおいしく食べられる。
・冷水解凍
流水解凍同様、袋に入れてじっくり
冷水で解凍することにより、
出来立てとの味の差もさほどなく、
おいしく食べられる。
・冷蔵解凍
冷蔵解凍は時間があるときに選択したい方法。
菌が増えることなく、低温でじっくり解凍するため、
こちらの方法も出来立ての味と
さほど差がなくおいしく食べられる。
・（時間がない時に）電子レンジの解凍機能を使用した解凍。
失敗例として電子レンジの急速解凍を紹介したが、
「解凍機能」を使うことでドリップを出さずに
解凍を行うことができる。
こちらも、解凍機能を使用した後に
火を通すことでおいしく食べられる。
まとめ
今回は冷凍魚を解凍する際に
塩水を使うと後の味に差が出る理由と
実際に塩水を使った魚の解凍の方法、
焼き魚の冷凍・解凍の方法を紹介してきた。
ぜひ日々の料理の中でもひと手間を加え、
おいしい魚料理の参考にしてほしい。
